相続した貴金属はいくらで計算したらいい?遺産分割・相続税申告に使う財産評価書
相続した貴金属はいくらで計算したらいい?遺産分割・相続税申告に使う財産評価書
相続した指輪やネックレス、金杯、コインなどを前にして、「購入時の金額で考えるのか」「今売った場合の金額なのか」「家族へどう説明すればよいのか」と迷うことがあります。
貴金属や宝石など、金銭に見積もることができる品物も相続財産に含まれます。一方、購入時の価格と現在の価値は同じとは限りません。素材相場、品位、重量、状態、付属品などによって、確認時点の参考評価は変わります。
この記事では、売却を決める前に価値を整理する方法と、遺産分割の話合いや税理士への相談資料として使える財産評価書についてご案内します。
指輪やネックレスも、確認が必要な相続財産です
国税庁は、相続税の対象となる財産について、現金や預貯金、不動産だけでなく、宝石など金銭に見積もることができる経済的価値のあるものも含まれると案内しています。
たとえば、次のような品物が実家の金庫や引き出しに残っていることがあります。
- 金・プラチナの指輪、ネックレス、イヤリング
- 金杯、金貨、記念コイン
- 宝石付きのジュエリー
- 時計、ブランド品などの動産
見た目だけで素材や価値を判断することは難しく、同じような形でも品位や重量が異なることがあります。相続人の一人が先に持ち帰ったり、価値がないと決めて処分したりする前に、まず現物をまとめて確認できる状態にしておくことが大切です。
購入価格と現在の価値は、同じではありません
ジュエリーの購入価格には、素材だけでなく、製造、デザイン、ブランド、流通、販売時のサービスなども含まれます。そのため、購入時の領収書に記載された金額を、そのまま現在の参考評価額として扱えるとは限りません。
反対に、購入から長い時間が経っていても、金やプラチナなどの素材価値が残っている品物があります。変色、傷、石外れ、刻印の読みづらさがあっても、自己判断で価値がないと決めず、現状のまま確認します。
ハレバレ屋の財産評価書では、確認できた現物について、品位、評価重量、評価基準日の参考単価、品目ごとの参考評価額、評価方法と前提条件を一覧にします。貴金属は、評価基準日時点に田中貴金属が公表している貴金属相場・リサイクル価格を基礎とし、現物の確認結果と査定実務に基づいて算定します。
相続では、原則として相続開始日を評価基準日にします
相続に伴うご依頼では、原則として相続開始日(死亡日)を評価基準日にします。相場が公表されていない休業日などの場合は、原則として直前の公表相場を使用します。
「今日売った場合の金額」と「相続開始日時点の参考評価額」は、相場の動きによって異なることがあります。目的が遺産分割の話合いなのか、相続税申告の相談資料なのか、現在の売却判断なのかを先に伝えていただくと、確認すべき基準日と書類の種類を整理しやすくなります。
なお、財産評価書は税務上の採用を保証するものではありません。相続税申告に用いる評価方法や必要書類は、担当税理士または所轄税務署へ確認してください。遺産分割や法的手続きでの扱いは、弁護士などの専門家へご相談ください。
相続人間で共有する資料として使えます
貴金属を現物のまま分けようとすると、点数だけを同じにしても価値がそろうとは限りません。また、口頭で「この指輪はいくらくらい」と伝えるだけでは、どの品物を指しているのか分からなくなることがあります。
財産評価書に品目ごとの情報をまとめ、必要に応じて写真台帳を付けることで、次のような確認に使えます。
- 相続人全員で、品物と参考評価額を共有する
- 誰がどの品物を受け継ぐか話し合う
- 売却する物と、形見として残す物を分ける
- 税理士や弁護士へ相談するときに現物の概要を伝える
- 返却時に、預けた品物と照合する
写真台帳は、評価書の品目番号と現物写真を対応させます。似た形状の指輪が複数ある場合や、点数が多い場合に、取り違えを防ぐための補助資料になります。
残すか、売却かの判断に
財産評価書の作成は、貴金属の売却を条件にしていません。「まず価値を確認し、その後に家族で残すか売るかを決めたい」という段階でご相談いただけます。
基本評価は5点まで11,000円(税込)で、「財産評価書」「遺産分割協議用参考評価書」「生前財産整理用参考評価書」のいずれか1種類を選べます。6点目以降、別形式の参考評価書、写真台帳、特急作成は追加料金があります。通常作成は、お預かりから3〜5営業日が目安です。
流山市を中心に、柏市、松戸市、野田市、我孫子市など東葛地域へ出張します。その他の地域、時計・ブランド品・その他の動産、専門機関による鑑別が必要な品物については、事前に対応可否と見積もりを確認します。
料金、対象地域、作成する書類、注意事項は、相続・生前整理の財産評価書作成サービスをご確認ください。
金地金等とは?アクセサリーとの違いと200万円超の支払調書
ここでいう「金地金等」は、国税庁の支払調書制度で使われる区分です。金やプラチナを素材として保有・取引する金地金・白金地金が該当し、インゴット(延べ棒・バー)などの形で見つかります。制度上は金貨・白金貨も「金地金等」に含まれます。
一方、相続品でよく見つかる指輪、ネックレス、ブレスレットなどは、金やプラチナを使っていても、通常はアクセサリー・宝飾品です。同じK18やPt900などの刻印があっても、素材としての金地金等と、製品として加工されたアクセサリーは同じ区分ではありません。200万円の基準は、アクセサリーを含む買取額全体に一律適用されるものではなく、対象となる金地金等の取引について判定されます。
相続した品を売却する場合、国内で金地金・白金地金(金貨・白金貨を含みます)を、金地金等の売買を業とする事業者へ売却し、同一人に対する支払額が200万円を超えると、買取事業者は「金地金等の譲渡の対価の支払調書」を、支払が確定した月の翌月末までに所轄税務署へ提出します。
これは、売却する方が税務署へ事前申請する手続きではありません。事業者が提出する法定調書のため、売却時に氏名、住所、マイナンバーなどの確認を求められます。対象は金地金等であり、一般の指輪やネックレスなどの宝飾品が、すべて同じ扱いになるわけではありません。
支払調書が提出されるかどうかと、売却した方の確定申告が必要かどうかは別の判定です。相続した品は購入時の資料や取得費の確認が難しいこともあるため、売却前に資料を揃え、申告の要否や計算方法は税理士または所轄税務署へご確認ください。
制度の詳細は、国税庁「金地金等の譲渡の対価に係る支払調書」、売却益の考え方は国税庁「金地金の譲渡による所得」をご確認ください。
ご相談時に分かる範囲でお知らせください
LINE公式またはお電話から、次の内容を分かる範囲でお知らせください。すべて整理できていなくても、こちらから順に確認します。
- 品物の種類と、おおよその点数
- 相続開始日(死亡日)
- 評価書を利用する目的
- 希望する書類と写真台帳の有無
- 税理士・弁護士などへ相談中か
現物確認後、確認できた範囲と前提条件を明記して作成します。本サービスは参考評価であり、実際の売却価格、真贋、宝石の天然・合成・処理、品質等級、税務上の採用を保証するものではありません。専門的な鑑別・鑑定が必要な場合は、外部専門機関をご案内することがあります。
まとめ|売る・分けるを決める前に、価値を共有できる形にします
相続した指輪やネックレスなどは、購入価格だけで現在の価値を判断できません。相続開始日時点を基準に現物を確認し、品目と参考評価額を一覧にすることで、家族の話合いや専門家への相談を進めやすくなります。
すぐに売却する必要はありません。残す物、受け継ぐ物、売る物を決める前に、まず価値を分かる形に整えることができます。
財産評価書シリーズ
- 第1回:相続した貴金属はいくらで計算したらいい?(この記事)
- 第2回:貴金属の生前整理は売却だけではない(次回公開後にリンクを追加します)
- 第3回:相続財産に貴金属・宝飾品がある場合の評価資料(公開後にリンクを追加します)






